6/07/2026

6月句会レポート ~ダンスと施餓鬼と句会と~

 6月の句会は、高輪いきいきプラザにて行われました。

講師の今井肖子先生をはじめ、参加者は10名。
梅雨入り前の過ごしやすい一日、まずは吟行から始まりました。
最寄りの品川駅では大規模な工事が進んでおり、数年ぶりに降り立った駅周辺は、すっかり様変わりしていました。
今回の吟行地は、グランドプリンスホテル高輪の庭園と東禅寺です。
グランドプリンスホテル高輪ではダンスの大会が、東禅寺では施餓鬼が行われており、その傍らで私たちは吟行をしました。
同じ6月の一日を、それぞれの場所で、それぞれのかたちで楽しんでいる人々の姿が印象的でした。

【グランドプリンスホテル高輪】
グランドプリンスホテル高輪の庭園は、これまで何度か通ったことはありましたが、ゆっくり散策するのは今回が初めてでした。
特に目を引かれたのは、竹に見立てたモニュメントです。
近づいてみると本物の竹ではなく、プラスチックで作られていることが分かるのですが、とても繊細に加工されていて、美しい庭園の中に遊び心を添えていました。

また、池にはたくさんの鯉がいて、まるで私たちを出迎えてくれているようでした。
その数の多さにも驚かされました。

【東禅寺】
その後、歩いて数分の東禅寺へ移動しました。
境内に入ると、多くの車が停まっており、伺ってみると「施餓鬼」が行われているとのことでした。
施餓鬼とは、生前の罪によって飢えと渇きに苦しむ霊、いわゆる餓鬼に食べ物や飲み物を施し、供養する仏教行事だそうです。
「施餓鬼」は初秋の季語ですが、年に数回、季節を分けて行われることもあるとのこと。
思いがけないきっかけから、新たな季語を知ることができました。


【句会】
吟行の後は、高輪いきいきプラザへ戻り句会です。
毎回、「もっとたくさん時間が欲しい!」という私たちと、「長ければいい句ができるわけではありません!」という先生とのおなじみのやり取りがあります(笑)。
今回は、約1時間15分で句作を行いました。
今回の兼題は「業平忌」と「鯖」。
特に「業平忌」は難しく、私は一句作るのがやっとでした。
それでも、他の方々の句を聞くたびに、
「こういう表現の仕方があったのか」
「そんな切り取り方ができるのか」
と、新しい発見があります。これも句会の大きな楽しみの一つです。

【最後に】
今回、先生に教えていただいたことで一番印象に残ったのは、
「そのものだからこその内容を詠む」
ということでした。
私が詠んだ句に、
 鯖食らう 子供の頬の ぷっくりと
という句がありました。
先生からは、「それは鯖でなくても、他の食べ物でも成り立つ句ですね。鯖ならではの句が詠めるといいですね」とご指摘いただきました。
たしかに、季語や題材を入れるだけではなく、そのものだからこそ生まれる情景や感触を詠むことが大切なのだと、改めて気づかされました。
今回も、俳句を通して新たな出会いや発見がありました。
そして偶然にも、その日の夕食には鯖が出てきました。
句会の前に食べていた鯖よりも、どこかおいしく感じられました。

記:佳樹

5/06/2026

5月句会レポート ~新緑の光の中で、句会をご一緒いたしましょう~

初めまして、2月からこの会に参加した松栄です。まずは簡単な自己紹介から。

僕は寄席や落語、温泉好きの50代男性です。入会のきっかけは、落語の中で効果的に使われる川柳や返歌、都々逸などを聞いているうちに、「綺麗だな、カッコいいな」と思うようになり、ネットで近所の句会を調べてこの会を見つけたことでした。
句会は堅苦しいかも?と思っていましたが、先生はとても気さくで分かりやすく接してくださいますし、会の皆さまとの交流もとてもほんわかしていて、見学会当日の入会を決めました。

さて、5月の句会です。
ゴールデンウィーク連休初日のこの日は、好天に恵まれました。
吟行は六本木ミッドタウンに隣接する檜町公園へ。最高気温は27.5℃。まるで夏のような陽気です。
庭園の池には新緑が映り込み、花菖蒲も目にやさしく揺れていて、なんとも心地よい景色。
その中で、鴨や鳩、亀たちが思い思いに過ごしている様子を眺めながら、こちらもゆったりと句作に取り組みます。

こういう時間、いいですねぇ。
休日の公園にいるだけでも十分気持ちいいのに、「さてどう詠もう
か」と考え始めると、景色がぐっと違って見えてくるのが面白いです。

ちなみに先生からは、
「今日のように夏のような気候のとき、『夏めく』と言いがちだけど、この時期は『夏近し』が良いですね」
というご指導もありました。
(今年の立夏は5月5日とのこと)
こうしたポイントを、ゆるやかな雰囲気の中で学べるのもこの句会の魅力だなあと感じます。

午後は歩いて赤坂いきいきプラザへ移動し、いよいよ句会です。

形式は7句出し・7句選(うち1句特選)。
正直なところ、まだまだ初心者の自分には毎回ドキドキの時間ですが、それでも中に一句くらいはどなたかが選んでくださることもあり、それがちょっとした励みになります。

句会では、他の方の句を読んで
「なんだこれ?全然わからん?!」
と思うこともしばしばあります(笑)。
ですが、その後のコメントや講評を聞くうちに、
「なるほど、そういう見方があったのか」
と気づかされることが多く、まさに目から鱗の連続です。
人によって景色の切り取り方や言葉の選び方がこんなに違うのか、と毎回驚かされます。

今回は兼題の「メーデー」「若緑」に加えて、緑、新緑、藤(藤棚)、柳、蓬、牡丹…などの句が並び、
それぞれに味わいがあり、「なんかいいなぁ」と思わせる句にたくさん出会えた会でした。


なお個人的な都合で、句会後の「真剣な反省会(という名の飲み会)」には参加できませんでしたが、きっといつものように楽しく盛り上がったのだろうなと思います。

話題豊富で親切な方が多く、温かく迎えてくださるこの句会。
五七五の世界、皆さまも一緒にのぞいてみませんか。
きっと、新しい言葉との出会いや、ちょっとした発見が待っています。

(記:松栄)





4/08/2026

4月句会レポート ~おお、ここが松の廊下でござるか!~

 今年の桜もほぼ終わりかけた4日土曜日の句会のご報告です。

吟行地は皇居東御苑。地下鉄を出ると雨が降りだしていて、大手門には長蛇の列。8割方外国人観光客なのにはびっくりです。さすが、日本の桜の季節はワールドワイドですねぇ。

観光ガイドがすっかり板に着いた鉄馬さん、冷たい雨をものともせず、資料を駆使して江戸城大手門から天守台までを案内してくださいました。松の廊下跡では、臨場感あふれる吉良と浅野の立ち回りの解説が秀逸でした。(よって肖子先生は後の句会で、珍しく「殿中でござるの声や遠桜」というお茶目な句をものされました)

天守台の中ほどに根をはり枝を広げた大島桜の見事だったこと!
また、上皇ご夫妻が植えられた日本古来の梨の木がまさに花盛りで、梨の花は花期が短いので、出会えたのはラッキーでした。

皇居は奥が深く、山ほどいろんなものが詰まったブラックボックスと言われるだけありまして、歴史も文化も自然も豊かにぎっしり。散歩には最適でございます(なんとこの日は「ブラタモリ」の放映も皇居散策だった)。

さて午後の句会。
花冷え・花の雨・花くづ・沈丁花・梨の花・花通草(はなあけび)・紅枝垂れ桜・飛花落花、などなど、美しい言葉の数々がすらすらと並ぶ、まことに春らしい句会となりました。

終了後は改めて一剣さんの受賞を祝う会を開き、楽しくご機嫌な一日でございました。

これを読んで下さった皆さまもどうぞ五七五を使って爛漫の春を愛でてみて下さいませ。
麻布教室は若者から後期高齢者まで、スポーツマン・淑女・飲んべ・演奏家・趣味人など様々うち揃って、仲間入りして下さる方々をお待ち申し上げております。

風虎記

3/12/2026

3月句会レポート ~たくさんの春の季語に出合いました~

 

月の例会は港区広尾にある有栖川宮記念公園へ吟行に出かけました。


ここは私たち麻布教室のホームグラウンドと言ってもいい公園で、四季折々に訪ねています。春の椿、梅、桜、その後の新緑や紫陽花も美しく秋の紅葉も見事な公園です。傾斜地に沿って公園は広がり、ぐっと坂を上ると児童公園で小さな子どもたち、奥の広場ではサッカー少年が走り回っている、そんな公園です。

まず、公園入口すぐの池に集合。今日は沢山の鴨が遊んでいました…。

ただ、この鴨も「鴨」というだけですと、なんと冬の季語なんです。「え?俳句に詠めないの?」ええ、そうなのです。今は春の季語を詠みたいのです。

池の脇を進むと真っ赤な…椿。

これは春の季語です、大丈夫。池の奥にはせせらぎがきらきら。「春の水」なんて言う季語も浮かび、その奥は深い森のような景色になります。「蜘蛛の囲」(蜘蛛の巣)という季語を覚えたのもこの森、「蜷、蜷の道」を知ったのもこのせせらぎです。そこからすこし上がると小さな広場。一見して少し前は梅が見頃だったことを思わせる咲き終わりの梅の木が何本もありました。更にぐっと上った児童公園の「ぶらんこ」や親子で楽しんでいるしゃぼんだま(石鹸玉)が春の季語と教えていただいたのもこの公園でした。吟行は沢山の季語を目の当たりにし、実写として句を作ることができる貴重な学びの場であると私は感じています。

それぞれ吟行の後、会場に入り締め切りまで沈黙の時、句作の時間です。さっき見たあの景色、あの植物、うーーん、鳥が鳴いていたな、と。今このレポートを書いている私・詩音は、終わりかけの梅・鳥のさえずり・しゃぼんだま・椿を見つけ、なんとか句にまとめてみました。他の皆さんはどんな季語を見つけたの?気になりますよね。人によって気づくポイント、景色の切り取りが全く違って本当に楽しいのです。「他にどんな季語があったの?」「どんなポイントを切り取ったの?」気になりますよね・・・。そう思われたらどうぞ句会にいらしてご一緒に体験してみてください。きっと「知らなかったー」と思う言葉との出会いがあると思うのです。

記:詩音

2/13/2026

2月句会レポート ~句会の楽しみ、あなたにそっと教えます~

2月7日(土)に句会を開催しました。今回は、午前中はJR浜松町駅すぐ近くの旧芝離宮恩寵庭園で吟行、雪がちらつく、とても寒い日でしたが、頑張って吟行をしました(軟弱な1名が吟行を欠席。今回これを書いている私、珂門です)。
そして、午後から「神明いきいきプラザ」で句会を開きました。兼題は「クロッカス」と「公魚(わかさぎ)」です。皆さんそれぞれ7句を作り、互選などをして、我らが肖子先生のご講評を拝聴し、16時に終了しました。 

今回は嬉しいことが二つありました。一つは当句会の幹事である守谷一剣さんが「第三十七回日本伝統俳句協会賞」の佳作第二席に入賞されたことです。実に素晴らしい! 我が句会の誇りであります。もう一つは新たに坂本松栄さんが入会されたことです。待望の新規会員、嬉しさ倍増です。 

さて、私、珂門は(たいそうな俳号ですが)実は俳句のド素人で、句会ではいつも大変なのであります。どんなに大変かというと、こんな感じです。 生来怠け者の小生は、日々俳句の「は」の字も忘れて怠惰に過ごしており(本当はこれではいけないのですが)、句会の2、3日前になると、「うわぁ、いよいよ句会だ」と焦ってきます。毎回、兼題が出されているからです。たとえば、今回の兼題で言うと、「クロッカス」は花の名前とわかるものの、恥ずかしながらガサツなオッサンである小生にはどんな花かまるっきりわからない。そこでネットで調べ「ああ、こういう花か」というところから始まるのです。今回のもう一つの兼題「公魚」に至っては、これを「わかさぎ」と読むのを初めて知った次第。兼題は、先生から「次回の句会の兼題はこれですよ」と出され、説明してくださるのですが、その句会を休んだりするともう大変! 以前、「囀」という兼題が出されたのですが、その句会を休んだため、読み方がわからず、よって意味もわからず大変でした。ちなみに「囀」は「さえずり」と読むのでした。 

そうこうしながら兼題の句と共に、その他の句もあれこれ考えるのですが、結局は当日の句会までほとんどできません。本来吟行中に句をつくるべきなのですが、その場でできることはほとんどないので、吟行地を想像して兼題以外の句も事前に考えておくというセコイ方法をとっているのです。恥ずかしい限りです。それでも結局、間に合わず、当日の句会でのぶっつけ本番となり、提出時間までに悪戦苦闘して7句をつくるという状況です。毎回冷や汗もの。私にとって句会はまさにスリルとサスペンスです(変な例えですが)。 

こんなふうに書くと、「おまえは何が好きで句会に行くのか」と言われそうですが、実はとても楽しいことがあるのですよ。それは、句会を終わった後の反省会と称しての飲み会(アフター)です。これが実に楽しい。有志、あるいは全員で、句会場の近くの飲み屋さんに入り、私めは「なんでオレの句が選ばれないんだ、けしからん」などと暴言を放ちつつ、ワイワイ飲むのがとても楽しいのです。ちなみに、今回は一剣さん受賞お祝い会、そして松栄さんの歓迎会として全員で飲み会を挙行致しました。

私思うに、句会はとても素晴らしい場です。句会とは、全然知らなかった同士が俳句というツールを通して語り合い、仲間となるということ。これが俳句の真骨頂かもしれません。世の中にはいろいろな学びや趣味の世界がありますが、俳句を作って語り合い、自然に仲間意識が生まれる俳句は「おつ」なものかもしませんね。 私めについては、肖子先生に「ちゃんと勉強しなさい」と言われそう、いや、正直言えば既にそう言われていますが、なんとか頑張りますので、お見捨てなきように。もちろん、私以外の皆様は教養のある素敵な方々です! 

ご興味のある方、松栄さんに続き、我らが麻布俳句教室へのご入会をお待ちしています。熱烈歓迎でありますよ! 

 記:珂門

1/18/2026

1月句会レポート ~変転の麻布十番で~

1月17日(土)は麻布俳句教室の初句会でした。 会場は麻布十番にある麻布いきいきプラザ。 若干わかりづらい路地を入った場所にあるものの、昨年建ったばかりの気持ちのよい施設です。


今月は午前中に自由に吟行し、13時に会場に集合し、作句するという段取りです。 午前中にとっても大事な御用を済まされた肖子先生は会場に駆けつけてくださいました。 ありがとうございます!

さて、それぞれが14時半までに7句を投句し、句会が始まりました。 いやはや、句歴?年、まったく進歩のない不肖・香深は、この初句会でふたつの悟りを得ました。 それは、俳句を続けるにおいて大切なのは、「視力」と「めげない心」であるということ。

あらかじめ今月の兼題を3つ、肖子先生から頂いていました。 初景色、人日、冴ゆ です。 わが教室のムードメーカーのAさん。 兼題が記されたメールの、「人日」を「入日」と見間違えたそう。 入日はもちろん季語ではありませんが、そこはそれ、さすがAさん。 「冬入日」で2句を投句。

さて、いよいよ選句に移ったところで、流れてくる清記用紙に次々と「人日」の句が。 「これは一体、どういうこと?!」と、パルプンテになったAさんでした…。 ところが、「冬入日」の句はいずれも、肖子先生の選に入っていました。 すごいの一言です!

とはいえ、「人日」と「入日」。 見間違えないよう、見間違えて慌てないよう、俳句に必須なのは視力だなぁ(笑)と感じました。

ちなみに「人日」とは、五節句の一つで、陰暦正月七日。 東方朔の占書に「正月一日は鶏を占ひ、二日は狗を占ひ…」と日によって 占う動物が異なるのですが、七日は人を占ふことから、こう称されているのだそうです。

俳句にはこのように、感覚がつかみにくい季題もときどきあります。 私などは勘違いして、頓珍漢な句を投句してしまうことも一度や二度ではありません。 それでも、めげない気持ちでチャレンジすることが大事だと改めて思いました。

ところで、今回は個々に吟行をして会場に参集したのですが、 麻布十番でも古いビルの取り壊しとモダンなビルの建設が続いています。 近所に住んでいても、行くたびに異なる顔を見せてくれる変化の激しい町になりました。 詩音さんはこのビルに萌え
香深はこの解体現場に萌えました。
残念ながら麻布十番のドラスティックな姿を句にすることはまだできていません。 いつかご披露できる日がくるといいなぁ。

記:香深

12/14/2025

今年もはや納めの句会

今年最後の麻布俳句教室を開催しました。風もなく絶好の吟行日和に恵まれました


先生をはじめ、お三人が師走のお忙しい中で途中参加となり、先ずは五人でスタートです。自然教育園は何度か訪れましたが、来る度に違った顔を見せて俳句の題材は沢山あるとのことですが、なかなか思うようにはいきません。




絶景ポイントを一巡りし、一応俳句の種を仕込んで句会場へ向かいます。


句会はいつものように互選、肖子先生の御選とすすみます。
最後に一句づつ先生の講評をいただきます。この時が一番に真剣に耳を傾けます。
ほんの一字一句を変えると見違えるほど良くなります。

深く納得して会を終わり、これから忘年会です。

しづけさを星と分け合ふ聖樹かな  肖子
みちのくの駅はホワイトクリスマス 風虎
冬紅葉透けて優しき日の光  詩音
熊除けの鈴音響くクリスマス  亜紀子
檻の熊森の匂を放ちけり  鉄馬
冬の香はどこからやって来るのだろ  香深
茶の花や坂ゆるやかに隠沼へ  栄子

栄子記

6月句会レポート ~ダンスと施餓鬼と句会と~

  6月の句会は、高輪いきいきプラザにて行われました。 講師の今井肖子先生をはじめ、参加者は10名。 梅雨入り前の過ごしやすい一日、まずは吟行から始まりました。 最寄りの品川駅では大規模な工事が進んでおり、 数年ぶりに降り立った駅周辺は、すっかり様変わりしていました。 今回の吟行...