4/08/2026

4月句会レポート ~おお、ここが松の廊下でござるか!~

 今年の桜もほぼ終わりかけた4日土曜日の句会のご報告です。

吟行地は皇居東御苑。地下鉄を出ると雨が降りだしていて、大手門には長蛇の列。8割方外国人観光客なのにはびっくりです。さすが、日本の桜の季節はワールドワイドですねぇ。

観光ガイドがすっかり板に着いた鉄馬さん、冷たい雨をものともせず、資料を駆使して江戸城大手門から天守台までを案内してくださいました。松の廊下跡では、臨場感あふれる吉良と浅野の立ち回りの解説が秀逸でした。(よって肖子先生は後の句会で、珍しく「殿中でござるの声や遠桜」というお茶目な句をものされました)

天守台の中ほどに根をはり枝を広げた大島桜の見事だったこと!
また、上皇ご夫妻が植えられた日本古来の梨の木がまさに花盛りで、梨の花は花期が短いので、出会えたのはラッキーでした。

皇居は奥が深く、山ほどいろんなものが詰まったブラックボックスと言われるだけありまして、歴史も文化も自然も豊かにぎっしり。散歩には最適でございます(なんとこの日は「ブラタモリ」の放映も皇居散策だった)。

さて午後の句会。
花冷え・花の雨・花くづ・沈丁花・梨の花・花通草(はなあけび)・紅枝垂れ桜・飛花落花、などなど、美しい言葉の数々がすらすらと並ぶ、まことに春らしい句会となりました。

終了後は改めて一剣さんの受賞を祝う会を開き、楽しくご機嫌な一日でございました。

これを読んで下さった皆さまもどうぞ五七五を使って爛漫の春を愛でてみて下さいませ。
麻布教室は若者から後期高齢者まで、スポーツマン・淑女・飲んべ・演奏家・趣味人など様々うち揃って、仲間入りして下さる方々をお待ち申し上げております。

風虎記

3/12/2026

3月句会レポート ~たくさんの春の季語に出合いました~

 

月の例会は港区広尾にある有栖川宮記念公園へ吟行に出かけました。


ここは私たち麻布教室のホームグラウンドと言ってもいい公園で、四季折々に訪ねています。春の椿、梅、桜、その後の新緑や紫陽花も美しく秋の紅葉も見事な公園です。傾斜地に沿って公園は広がり、ぐっと坂を上ると児童公園で小さな子どもたち、奥の広場ではサッカー少年が走り回っている、そんな公園です。

まず、公園入口すぐの池に集合。今日は沢山の鴨が遊んでいました…。

ただ、この鴨も「鴨」というだけですと、なんと冬の季語なんです。「え?俳句に詠めないの?」ええ、そうなのです。今は春の季語を詠みたいのです。

池の脇を進むと真っ赤な…椿。

これは春の季語です、大丈夫。池の奥にはせせらぎがきらきら。「春の水」なんて言う季語も浮かび、その奥は深い森のような景色になります。「蜘蛛の囲」(蜘蛛の巣)という季語を覚えたのもこの森、「蜷、蜷の道」を知ったのもこのせせらぎです。そこからすこし上がると小さな広場。一見して少し前は梅が見頃だったことを思わせる咲き終わりの梅の木が何本もありました。更にぐっと上った児童公園の「ぶらんこ」や親子で楽しんでいるしゃぼんだま(石鹸玉)が春の季語と教えていただいたのもこの公園でした。吟行は沢山の季語を目の当たりにし、実写として句を作ることができる貴重な学びの場であると私は感じています。

それぞれ吟行の後、会場に入り締め切りまで沈黙の時、句作の時間です。さっき見たあの景色、あの植物、うーーん、鳥が鳴いていたな、と。今このレポートを書いている私・詩音は、終わりかけの梅・鳥のさえずり・しゃぼんだま・椿を見つけ、なんとか句にまとめてみました。他の皆さんはどんな季語を見つけたの?気になりますよね。人によって気づくポイント、景色の切り取りが全く違って本当に楽しいのです。「他にどんな季語があったの?」「どんなポイントを切り取ったの?」気になりますよね・・・。そう思われたらどうぞ句会にいらしてご一緒に体験してみてください。きっと「知らなかったー」と思う言葉との出会いがあると思うのです。

記:詩音

2/13/2026

2月句会レポート ~句会の楽しみ、あなたにそっと教えます~

2月7日(土)に句会を開催しました。今回は、午前中はJR浜松町駅すぐ近くの旧芝離宮恩寵庭園で吟行、雪がちらつく、とても寒い日でしたが、頑張って吟行をしました(軟弱な1名が吟行を欠席。今回これを書いている私、珂門です)。
そして、午後から「神明いきいきプラザ」で句会を開きました。兼題は「クロッカス」と「公魚(わかさぎ)」です。皆さんそれぞれ7句を作り、互選などをして、我らが肖子先生のご講評を拝聴し、16時に終了しました。 

今回は嬉しいことが二つありました。一つは当句会の幹事である守谷一剣さんが「第三十七回日本伝統俳句協会賞」の佳作第二席に入賞されたことです。実に素晴らしい! 我が句会の誇りであります。もう一つは新たに坂本松栄さんが入会されたことです。待望の新規会員、嬉しさ倍増です。 

さて、私、珂門は(たいそうな俳号ですが)実は俳句のド素人で、句会ではいつも大変なのであります。どんなに大変かというと、こんな感じです。 生来怠け者の小生は、日々俳句の「は」の字も忘れて怠惰に過ごしており(本当はこれではいけないのですが)、句会の2、3日前になると、「うわぁ、いよいよ句会だ」と焦ってきます。毎回、兼題が出されているからです。たとえば、今回の兼題で言うと、「クロッカス」は花の名前とわかるものの、恥ずかしながらガサツなオッサンである小生にはどんな花かまるっきりわからない。そこでネットで調べ「ああ、こういう花か」というところから始まるのです。今回のもう一つの兼題「公魚」に至っては、これを「わかさぎ」と読むのを初めて知った次第。兼題は、先生から「次回の句会の兼題はこれですよ」と出され、説明してくださるのですが、その句会を休んだりするともう大変! 以前、「囀」という兼題が出されたのですが、その句会を休んだため、読み方がわからず、よって意味もわからず大変でした。ちなみに「囀」は「さえずり」と読むのでした。 

そうこうしながら兼題の句と共に、その他の句もあれこれ考えるのですが、結局は当日の句会までほとんどできません。本来吟行中に句をつくるべきなのですが、その場でできることはほとんどないので、吟行地を想像して兼題以外の句も事前に考えておくというセコイ方法をとっているのです。恥ずかしい限りです。それでも結局、間に合わず、当日の句会でのぶっつけ本番となり、提出時間までに悪戦苦闘して7句をつくるという状況です。毎回冷や汗もの。私にとって句会はまさにスリルとサスペンスです(変な例えですが)。 

こんなふうに書くと、「おまえは何が好きで句会に行くのか」と言われそうですが、実はとても楽しいことがあるのですよ。それは、句会を終わった後の反省会と称しての飲み会(アフター)です。これが実に楽しい。有志、あるいは全員で、句会場の近くの飲み屋さんに入り、私めは「なんでオレの句が選ばれないんだ、けしからん」などと暴言を放ちつつ、ワイワイ飲むのがとても楽しいのです。ちなみに、今回は一剣さん受賞お祝い会、そして松栄さんの歓迎会として全員で飲み会を挙行致しました。

私思うに、句会はとても素晴らしい場です。句会とは、全然知らなかった同士が俳句というツールを通して語り合い、仲間となるということ。これが俳句の真骨頂かもしれません。世の中にはいろいろな学びや趣味の世界がありますが、俳句を作って語り合い、自然に仲間意識が生まれる俳句は「おつ」なものかもしませんね。 私めについては、肖子先生に「ちゃんと勉強しなさい」と言われそう、いや、正直言えば既にそう言われていますが、なんとか頑張りますので、お見捨てなきように。もちろん、私以外の皆様は教養のある素敵な方々です! 

ご興味のある方、松栄さんに続き、我らが麻布俳句教室へのご入会をお待ちしています。熱烈歓迎でありますよ! 

 記:珂門

1/18/2026

1月句会レポート ~変転の麻布十番で~

1月17日(土)は麻布俳句教室の初句会でした。 会場は麻布十番にある麻布いきいきプラザ。 若干わかりづらい路地を入った場所にあるものの、昨年建ったばかりの気持ちのよい施設です。


今月は午前中に自由に吟行し、13時に会場に集合し、作句するという段取りです。 午前中にとっても大事な御用を済まされた肖子先生は会場に駆けつけてくださいました。 ありがとうございます!

さて、それぞれが14時半までに7句を投句し、句会が始まりました。 いやはや、句歴?年、まったく進歩のない不肖・香深は、この初句会でふたつの悟りを得ました。 それは、俳句を続けるにおいて大切なのは、「視力」と「めげない心」であるということ。

あらかじめ今月の兼題を3つ、肖子先生から頂いていました。 初景色、人日、冴ゆ です。 わが教室のムードメーカーのAさん。 兼題が記されたメールの、「人日」を「入日」と見間違えたそう。 入日はもちろん季語ではありませんが、そこはそれ、さすがAさん。 「冬入日」で2句を投句。

さて、いよいよ選句に移ったところで、流れてくる清記用紙に次々と「人日」の句が。 「これは一体、どういうこと?!」と、パルプンテになったAさんでした…。 ところが、「冬入日」の句はいずれも、肖子先生の選に入っていました。 すごいの一言です!

とはいえ、「人日」と「入日」。 見間違えないよう、見間違えて慌てないよう、俳句に必須なのは視力だなぁ(笑)と感じました。

ちなみに「人日」とは、五節句の一つで、陰暦正月七日。 東方朔の占書に「正月一日は鶏を占ひ、二日は狗を占ひ…」と日によって 占う動物が異なるのですが、七日は人を占ふことから、こう称されているのだそうです。

俳句にはこのように、感覚がつかみにくい季題もときどきあります。 私などは勘違いして、頓珍漢な句を投句してしまうことも一度や二度ではありません。 それでも、めげない気持ちでチャレンジすることが大事だと改めて思いました。

ところで、今回は個々に吟行をして会場に参集したのですが、 麻布十番でも古いビルの取り壊しとモダンなビルの建設が続いています。 近所に住んでいても、行くたびに異なる顔を見せてくれる変化の激しい町になりました。 詩音さんはこのビルに萌え
香深はこの解体現場に萌えました。
残念ながら麻布十番のドラスティックな姿を句にすることはまだできていません。 いつかご披露できる日がくるといいなぁ。

記:香深

12/14/2025

今年もはや納めの句会

今年最後の麻布俳句教室を開催しました。風もなく絶好の吟行日和に恵まれました


先生をはじめ、お三人が師走のお忙しい中で途中参加となり、先ずは五人でスタートです。自然教育園は何度か訪れましたが、来る度に違った顔を見せて俳句の題材は沢山あるとのことですが、なかなか思うようにはいきません。




絶景ポイントを一巡りし、一応俳句の種を仕込んで句会場へ向かいます。


句会はいつものように互選、肖子先生の御選とすすみます。
最後に一句づつ先生の講評をいただきます。この時が一番に真剣に耳を傾けます。
ほんの一字一句を変えると見違えるほど良くなります。

深く納得して会を終わり、これから忘年会です。

しづけさを星と分け合ふ聖樹かな  肖子
みちのくの駅はホワイトクリスマス 風虎
冬紅葉透けて優しき日の光  詩音
熊除けの鈴音響くクリスマス  亜紀子
檻の熊森の匂を放ちけり  鉄馬
冬の香はどこからやって来るのだろ  香深
茶の花や坂ゆるやかに隠沼へ  栄子

栄子記

11/26/2025

麻布で11月句会

 11月句会を開催いたしました。

とてもおだやかな晴天に恵まれた中、麻布俳句教室11月句会(11月15日@麻

布いきいきプラザ)を開催いたしました。


この日の吟行地は、麻布俳句教室発祥の地であります麻布十番商店街と善福寺

でした。講師の今井肖子先生他5名が集まり吟行を開始しました。


麻布十番商店街には久しぶりに来たのですが、お洒落な若者や外国人の方々が闊歩し、高級車が通り過ぎて行く光景は昔ながらです。

新しいカフェやレストランが並ぶ中、老舗のたいやき屋、おもちゃ屋、洋品店などが営業を続けておりました。新鮮で刺激的な中に、ほっとする下町的な雰囲気のある街です。

商店街を抜けて善福寺へ向かいました。ここは、幕末に初代アメリカ公使館となり日米友好の絆を深めた寺だそうです。境内には樹齢七百五十年の大銀杏が黄色く色付いておりました。

本堂前の木の階段に腰を下ろして各自句をまとめた後、ピザ店で昼食を摂り句会場へ移動しました。

投句締め切り時間を確認の上、各自七句投句、清記、選句と静かに句会は進行

していきました。七句選句の後、それぞれの選句の披講と特選句一句の講評を

行いました。最後に先生から特選と入選句の披講と講評が行われました。

この際、先生からは一句毎に丁寧な指導が行なわれ、助詞ひとつ変えただけで

句が生まれ変わったり、かな使い、文法なども教えていただきます。

また、この日の兼題は「十三夜」でしたので、月の句について季題の多さと、

考え方について質問や意見のやり取りが行われました。

ここでのやり取りの時間は毎回楽しく、笑いの絶えない中、新しい知識の学び

の場にもなっております。

「月の句は難しい」そんな感想が聞かれる中、来月の兼題を決めて終了しまし

た。来月は、今話題の「熊」になりました。


句会終了後は有志で反省会です。この日は先生にも参加をいただき老舗のヤキ

トン屋さんへ。

ここでも楽しい時間を過ごして散会いたしました。


メンバーの「今月の一句」をご紹介いたします。

しづけさや小春の水の湧くところ  今井肖子

小春日や伽藍の裏は幼稚園     鈴木風虎

十三夜二十歳の頬へ吹く夜風    藤岡詩音

銀杏散る若き通詞の夢の跡     福田鉄馬

初恋といふばら眺め冬日和     藤原亜希子

落葉踏む変はらぬ場所の少女像   守谷一剣

神の留守宮司の妻と立ち話     大原栄子(欠席投句)

次々と雲滑りゆく十三夜      太田香深(欠席投句)

10/22/2025

10月句会を開催しました

 麻布俳句教室10月句会(10月19日@港区神応いきいきプラザ)を開催しました。

この日はご指導いただいている今井肖子先生(日本伝統俳句協会 理事)と教室メンバー5名が集まりました。今回はいつもと違って参加出来ないメンバーが多くめずらしく少人数となりました。

午前10時半から国立科学博物館所属の自然教育園で吟行を行いました。園内は多くの野草が咲いていて、木の実が控えめに緑や赤く光っていました。

天候にも恵まれ、各自園内を思い思いに散策しながらベンチや東屋に腰を下ろして作句をしました。園内は同じように吟行をしているグループや植物観察をしている団体、家族連れなどで賑わっていました。

午後の句会会場への移動は少し距離も離れていたためタクシーを利用しました。

予め先生から頂いていた兼題「十六夜」「飛蝗」と吟行の句を併せて7句を60分の制限時間に提出しました。本日の句会に出席できなかったメンバーからの欠席投句も加えて、句会を始めました。

メンバーそれぞれの選句を発表の後、肖子先生の選句が発表されました。また先生からは一人一人の句へのコメントやアドバイスをいただき、質問にもお答え頂きました。今回兼題の「飛蝗」や花・昆虫の名前をカタカナや平仮名で記してもよいのかの質問に対して学名はカタカナ表記ですが、俳句に書く時は学名ではないのでカタカナは使わないで漢字か平仮名をとの事でした。


メンバーが自分で選んだ「私の今月の一句」を紹介します。

浮かぶもの時々光る水の秋 肖子    

捕はれてぐいと顎出すばつたかな 風虎 

心だけ寄道をして吾亦紅 一剣    

十六夜や盛り塩光る路地の奥 栄子    

秋草の敷かれし小径緩く折れ 詩音    

朽葉色ばつたの翅も欄干も 香深 

末枯れて向かうに見ゆる鳥の群 佳樹    

十六夜や女ひとりのカウンター 亜紀子


句会の後は先生と有志3名でイタリアンレストランで和やかに反省会(?)を開催しました。俳句論議に花が咲き、また俳句から離れての雑談も盛り上がり、楽しい一日になりました。


亜紀子記





4月句会レポート ~おお、ここが松の廊下でござるか!~

 今年の桜もほぼ終わりかけた4日土曜日の句会のご報告です。 吟行地は皇居東御苑。地下鉄を出ると雨が降りだしていて、大手門には長蛇の列。8割方外国人観光客なのにはびっくりです。さすが、 日本の桜の季節はワールドワイドですねぇ。 観光ガイドがすっかり板に着いた鉄馬さん、 冷たい雨をも...